Doctor's Column 院長コラム

2017.02.21更新

 2/9(木)夜に、和歌山市ト半町にある、(株)MORITA和歌山支店で、1時間半程のナイトセミナーに参加してきました。
簡単な講義のあと、レーザー機器のデモ、その後、各出席者一人ずつ、鶏肉を使用したレーザーの実習を少し行いました。

 現在、当院では炭酸ガスレーザー(CO2レーザー)を使用しています。適応は、歯肉の切開、
蒸散による殺菌、血餅(血のり)の凝固による止血、血餅の保持(かさぶたのような作用)、口内炎への照射、歯肉のメラニン沈着の除去などです。他にも使用用途はあると思いますが、当院ではこのような処置を中心に適用しています。

 Er.YAGレーザーは、上記の処置に加え、硬組織(歯)を切削することが可能です。いわゆる虫歯の治療に用いることが可能です。タービン(歯の切削にしようするエンジン)回転時のキーンという音、衝撃などがありません。
超音波を使用して除去していた歯石なども、このレーザーにより取ることができます。同時に殺菌も行われます。超音波機器のガリガリ削るようにして歯石を取るのが苦手だという患者さんに適しているかもしれません。

 また、このレーザーで適用される処置として有用であるといわれているものに、歯周病、インプラント周囲炎に対する外科的処置があります。
歯周病に対して行われる、歯周外科処置において、炎症がおこっている肉芽(にくげ)組織を徹底的に除去する掻爬(そうは)といわれる処置があります。肉芽組織の除去は歯周病細菌により、溶かされて無くなった骨の周辺や歯根面にこびりついていて、完全に除去するためには、処置時間がかなりかかりますが、Er.YAGレーザーを用いると、肉芽をはがすようにとることができ、また、通常の器具などでは届きにくい細かい部分まで、専用の細いチップをアクセス、レーザーを届かせることができます。掻爬にかかる時間もかなり短縮されます。
 

 そして更に、歯周外科処置をライトに(軽めに)行うようにしても、ある程度の効果が得られるようです。これは、通常は歯肉を、剥離(はくり)、(はがすこと)しますが、歯肉を剥離しないで、レーザーのみの処置を行うということです。従来よりも侵襲の低い(術後のダメージが少ない)歯周外科処置ということになります。
(しかし、やはり確実な効果を期待するのであれば、歯肉は開き、肉眼で術野を確認できる状態でレーザー処置を行うほうが良いとされています。)
 

 また、インプラント周囲炎についても有効性が報告されています。インプラントの場合は、インプラント表面の細菌が付着している、インプラント体表面のコーティング部分をはぐようにして除去し、殺菌します。近年のインプラント表面は、そのほとんどが粗面(ザラザラの面)になっており、インプラント埋入後、表面に骨の細胞が付きやすい表面加工になっているのですが、逆に、粗面の部分は、細菌も付着しやすい構造になっています。これが、現在のインプラント表面性状である、粗面の欠点です。Er.YAGレーザーは、このコーティング部分を直接はがすのに非常に適しています。
最近では、根管治療における、根管内の清掃、殺菌にもよく用いられるようです。
 
 当院でも、このレーザーの有効性を理解した上で、このEr.YAGレーザーを近いうちに導入する予定です。
当日はMORITAの社員の方々、夜遅い時間まで本当にありがとうございました。

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                                      Er.YAGレーザーは、組織の表層のみに作用し、周囲組織へのダメージが少ない

                                    また、CO2レーザーのように、炭化層が形成されないので、照射部分は黒くならない

 

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投稿者: まえだ歯科

2017.02.15更新

      皆様、いかがお過ごしでしょうか。早く、2月も中旬に差し掛かりました。

 今年最初の研修会として、1/14(土)、15 (日) 1/29 (土)、30 (日),大阪 四ツ橋の(株)ヨシダ研修室(創業100年以上の歯科業者の老舗)で、京都でご開業の中田光太郎先生主催の、マイクロスコープを使用した歯周形成外科アドバンスコース(マイクロスコーププラスティックサージェリーアドバンスコース)に参加してきました。中田先生は、歯周形成外科の分野では、本当に著名な先生で、マイクロスコープを使用した手術の素晴らしい仕上がりを学会等で診させていただき、
このアドバンスコースを是非受けてみたいと強く思っていました。

 現在、当院では5年前より根管治療(マイクロエンド)、虫歯治療の一部など、いわゆる歯の保存治療の領域について、マイクロスコープを使用した治療を行っています。ホームページにも書かせて頂いておりますが、マイクロスコープによる拡大視野は、今まで見えない部分を手探りで治療していたものが、細部まで肉眼で診えるようになるため、治療結果も違ってくるように感じます。まさに治療の診える化です。根管治療の領域でいうと、感染源(汚れ)の除去、医原性の歯根外への穿孔(パーフォレーション)、歯根の破折などの検索です。この穿孔や破折があると、 その部分に最近感染がおこり、経過不良になります。CT(立体的な画像)と組み合わせて治療を行うと、そのようなことが、かなり細かくわかるようになり、診断、治療結果に大きな成果をもたらしています。

 マイクロスコープの使用が有効な手術は、主に歯周外科手術、特に歯周形成外科であるといえるでしょう。今回の実習のメインになっております。中田先生もお話しされていましたが、マイクロスコープ使用すると、非常に細かい処置が可能になり、精度があがるため、治癒も早くなり、術後の腫れも出にくくなります。1日目、2日目は、中田先生の講義、マイクロスコープを用いて実習用模型での縫合実習を受けました。マイクロスコープ下での手術は、体の動きを大きくするのではなく、手先を細かく動かして行うことがポイントであると話されていました。そういったことを頭に入れ、意識しながら実習を行いました。
また、実習中も、先生が直接、手技をチェックしてくれたり声を掛けて頂いたりと、受講生ひとりひとりに凄く気を配っておられたのが、本当に印象的でした。先生の技術以上に、周囲に気を配る人間性が正直、凄いなあと感じました。

micro4  ←歯科用マイクロスコープ

 歯周形成外科の種類ですが、色々な要因で歯肉が下がってしまい(歯肉退縮)、歯根が露出してしまった場合の根面被覆術(root cover)、前歯インプラント手術に付随する歯肉増生処置、付着歯肉が不足して歯磨きなどの清掃が行いにくい場合の、付着歯肉獲得手術などがあります。ほとんどの場合、ドナーサイト(採取側)上顎の口蓋部の厚い結合組織といわれる部分を採取し、レシピエントサイト(移植側)に移植します。いわゆる歯肉結合組織移植(connective tissue graft)という手術です。

micro7 ← 根面被覆術

 

 3日目は、京都でご開業されている、スタディーグループの京都SJCD元会長である、窪田努先生を講師にお迎えし、マイクロスコープを用いた支台歯形成実習を受けました。
この支台歯形成というのは、例えば、セラミックや金属の歯を被せる時、被せる部分を予め一定の決まった形に仕上げる作業のことを言います。しっかりと精密に形を作っておくことが、その歯の適合(フィット)を高め、被せる歯と根の部分の隙間からできる、いわゆる2次的な虫歯の予防にも繋がります。窪田先生は、趣味のひとつにプラモデル制作があり、凄く精工なガンダムのプラモデルがスライドにでてきて、おぉー、凄い!と思いましたね。。

micro3  ←支台歯形成模型のCADでの読み込み

 

 

4目は豚の顎骨を使用した、マイクロスコープ下での根面被覆手術、インプラント周囲歯肉の増大手術の実習を受けました。特にこのインプラント周囲歯肉の増大は、歯肉の幅と高さを同時に増生することができる手技で、非常に有効だと感じました。

micro6 ←インプラント周囲歯肉の増大

 

約2週間の間に4日間の集中講義、実習を受け、頭と手の感覚も残りやすく、実際の臨床にしっかり生かせて行けると感じました。中田先生、窪田先生、本当にありがとうございました。1月に発刊された中田先生の技術書に中田先生の直筆サインを頂きました!
現在、当院で行っている歯周形成外科手術に、このマイクロサージェリーの技術を取り入れ、手術の精度を上げ、侵襲の少ない手術にすることによって患者さんの負担軽減や治療精度の向上を図っていきたいと考えております。

 皆様、これからはマイクロスコープの時代です!歯科治療のような細かい作業、精密な作業こそ、マイクロスコープを有効に使用するべきであると、私は強く感じております!!

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投稿者: まえだ歯科

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