Doctor's Column 院長コラム

2017.04.21更新

 

 少し前に、当院に以前から通院されている患者さん、西山寛躬(よしみ)さんが作品を展示されている、シルバー美術展を観に行かせて頂きました。

  

                                  場所はビッグ愛1F 「展示ホール」

 

   この場所で、定期的に美術展や歯科業者の展示会などが行われていて、私も時々足を運びます。

 

  西山さんの作品は、西山さんのご実家に、和歌山の偉人、細菌学者の南方熊楠が、長期に渡って泊まられたという、和歌山県日高群川上村にあった、西山さんの、先祖代々のご実家のお屋敷(妹尾屋敷)を題材にしたものです。西山さんが、ご自身の記憶をもとに当時の様子を絵画にした、当時の様子が偲ばれる、とても大きいサイズの力作です!

 

  以前から、西山さんには今回の作品にまつわる資料の写真や、ご自宅の花の写真を大きく引く伸ばしたものを頂いたりしていて、一度、展覧会を見に行かせて頂こうと思っていました。今回、展覧会で実際の作品を見せて頂いて、なかなかの力作だなぁと、感じました。作品を観させて頂いて、本当に良かったです( ^^)

 

  患者さんのこういった催しものに参加して少しお話しもさせて頂くと、その方の生活が見えてきます。歯科医療も「食」ということを通じて、その人の生活に寄り添ったり、直結したりする部分として、その方の生活に少し入り込むことは大切です。そこから見えてくるものは本当に大きいように思います。

 

                             今年は、南方熊楠生誕150周年の年になるそうですね!(^^)

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投稿者: まえだ歯科

2017.02.21更新

 2/9(木)夜に、和歌山市ト半町にある、(株)MORITA和歌山支店で、1時間半程のナイトセミナーに参加してきました。
簡単な講義のあと、レーザー機器のデモ、その後、各出席者一人ずつ、鶏肉を使用したレーザーの実習を少し行いました。

 現在、当院では炭酸ガスレーザー(CO2レーザー)を使用しています。適応は、歯肉の切開、
蒸散による殺菌、血餅(血のり)の凝固による止血、血餅の保持(かさぶたのような作用)、口内炎への照射、歯肉のメラニン沈着の除去などです。他にも使用用途はあると思いますが、当院ではこのような処置を中心に適用しています。

 Er.YAGレーザーは、上記の処置に加え、硬組織(歯)を切削することが可能です。いわゆる虫歯の治療に用いることが可能です。タービン(歯の切削にしようするエンジン)回転時のキーンという音、衝撃などがありません。
超音波を使用して除去していた歯石なども、このレーザーにより取ることができます。同時に殺菌も行われます。超音波機器のガリガリ削るようにして歯石を取るのが苦手だという患者さんに適しているかもしれません。

 また、このレーザーで適用される処置として有用であるといわれているものに、歯周病、インプラント周囲炎に対する外科的処置があります。
歯周病に対して行われる、歯周外科処置において、炎症がおこっている肉芽(にくげ)組織を徹底的に除去する掻爬(そうは)といわれる処置があります。肉芽組織の除去は歯周病細菌により、溶かされて無くなった骨の周辺や歯根面にこびりついていて、完全に除去するためには、処置時間がかなりかかりますが、Er.YAGレーザーを用いると、肉芽をはがすようにとることができ、また、通常の器具などでは届きにくい細かい部分まで、専用の細いチップをアクセス、レーザーを届かせることができます。掻爬にかかる時間もかなり短縮されます。
 

 そして更に、歯周外科処置をライトに(軽めに)行うようにしても、ある程度の効果が得られるようです。これは、通常は歯肉を、剥離(はくり)、(はがすこと)しますが、歯肉を剥離しないで、レーザーのみの処置を行うということです。従来よりも侵襲の低い(術後のダメージが少ない)歯周外科処置ということになります。
(しかし、やはり確実な効果を期待するのであれば、歯肉は開き、肉眼で術野を確認できる状態でレーザー処置を行うほうが良いとされています。)
 

 また、インプラント周囲炎についても有効性が報告されています。インプラントの場合は、インプラント表面の細菌が付着している、インプラント体表面のコーティング部分をはぐようにして除去し、殺菌します。近年のインプラント表面は、そのほとんどが粗面(ザラザラの面)になっており、インプラント埋入後、表面に骨の細胞が付きやすい表面加工になっているのですが、逆に、粗面の部分は、細菌も付着しやすい構造になっています。これが、現在のインプラント表面性状である、粗面の欠点です。Er.YAGレーザーは、このコーティング部分を直接はがすのに非常に適しています。
最近では、根管治療における、根管内の清掃、殺菌にもよく用いられるようです。
 
 当院でも、このレーザーの有効性を理解した上で、このEr.YAGレーザーを近いうちに導入する予定です。
当日はMORITAの社員の方々、夜遅い時間まで本当にありがとうございました。

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                                      Er.YAGレーザーは、組織の表層のみに作用し、周囲組織へのダメージが少ない

                                    また、CO2レーザーのように、炭化層が形成されないので、照射部分は黒くならない

 

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投稿者: まえだ歯科

2017.02.15更新

      皆様、いかがお過ごしでしょうか。早く、2月も中旬に差し掛かりました。

 今年最初の研修会として、1/14(土)、15 (日) 1/29 (土)、30 (日),大阪 四ツ橋の(株)ヨシダ研修室(創業100年以上の歯科業者の老舗)で、京都でご開業の中田光太郎先生主催の、マイクロスコープを使用した歯周形成外科アドバンスコース(マイクロスコーププラスティックサージェリーアドバンスコース)に参加してきました。中田先生は、歯周形成外科の分野では、本当に著名な先生で、マイクロスコープを使用した手術の素晴らしい仕上がりを学会等で診させていただき、
このアドバンスコースを是非受けてみたいと強く思っていました。

 現在、当院では5年前より根管治療(マイクロエンド)、虫歯治療の一部など、いわゆる歯の保存治療の領域について、マイクロスコープを使用した治療を行っています。ホームページにも書かせて頂いておりますが、マイクロスコープによる拡大視野は、今まで見えない部分を手探りで治療していたものが、細部まで肉眼で診えるようになるため、治療結果も違ってくるように感じます。まさに治療の診える化です。根管治療の領域でいうと、感染源(汚れ)の除去、医原性の歯根外への穿孔(パーフォレーション)、歯根の破折などの検索です。この穿孔や破折があると、 その部分に最近感染がおこり、経過不良になります。CT(立体的な画像)と組み合わせて治療を行うと、そのようなことが、かなり細かくわかるようになり、診断、治療結果に大きな成果をもたらしています。

 マイクロスコープの使用が有効な手術は、主に歯周外科手術、特に歯周形成外科であるといえるでしょう。今回の実習のメインになっております。中田先生もお話しされていましたが、マイクロスコープ使用すると、非常に細かい処置が可能になり、精度があがるため、治癒も早くなり、術後の腫れも出にくくなります。1日目、2日目は、中田先生の講義、マイクロスコープを用いて実習用模型での縫合実習を受けました。マイクロスコープ下での手術は、体の動きを大きくするのではなく、手先を細かく動かして行うことがポイントであると話されていました。そういったことを頭に入れ、意識しながら実習を行いました。
また、実習中も、先生が直接、手技をチェックしてくれたり声を掛けて頂いたりと、受講生ひとりひとりに凄く気を配っておられたのが、本当に印象的でした。先生の技術以上に、周囲に気を配る人間性が正直、凄いなあと感じました。

micro4  ←歯科用マイクロスコープ

 歯周形成外科の種類ですが、色々な要因で歯肉が下がってしまい(歯肉退縮)、歯根が露出してしまった場合の根面被覆術(root cover)、前歯インプラント手術に付随する歯肉増生処置、付着歯肉が不足して歯磨きなどの清掃が行いにくい場合の、付着歯肉獲得手術などがあります。ほとんどの場合、ドナーサイト(採取側)上顎の口蓋部の厚い結合組織といわれる部分を採取し、レシピエントサイト(移植側)に移植します。いわゆる歯肉結合組織移植(connective tissue graft)という手術です。

micro7 ← 根面被覆術

 

 3日目は、京都でご開業されている、スタディーグループの京都SJCD元会長である、窪田努先生を講師にお迎えし、マイクロスコープを用いた支台歯形成実習を受けました。
この支台歯形成というのは、例えば、セラミックや金属の歯を被せる時、被せる部分を予め一定の決まった形に仕上げる作業のことを言います。しっかりと精密に形を作っておくことが、その歯の適合(フィット)を高め、被せる歯と根の部分の隙間からできる、いわゆる2次的な虫歯の予防にも繋がります。窪田先生は、趣味のひとつにプラモデル制作があり、凄く精工なガンダムのプラモデルがスライドにでてきて、おぉー、凄い!と思いましたね。。

micro3  ←支台歯形成模型のCADでの読み込み

 

 

4目は豚の顎骨を使用した、マイクロスコープ下での根面被覆手術、インプラント周囲歯肉の増大手術の実習を受けました。特にこのインプラント周囲歯肉の増大は、歯肉の幅と高さを同時に増生することができる手技で、非常に有効だと感じました。

micro6 ←インプラント周囲歯肉の増大

 

約2週間の間に4日間の集中講義、実習を受け、頭と手の感覚も残りやすく、実際の臨床にしっかり生かせて行けると感じました。中田先生、窪田先生、本当にありがとうございました。1月に発刊された中田先生の技術書に中田先生の直筆サインを頂きました!
現在、当院で行っている歯周形成外科手術に、このマイクロサージェリーの技術を取り入れ、手術の精度を上げ、侵襲の少ない手術にすることによって患者さんの負担軽減や治療精度の向上を図っていきたいと考えております。

 皆様、これからはマイクロスコープの時代です!歯科治療のような細かい作業、精密な作業こそ、マイクロスコープを有効に使用するべきであると、私は強く感じております!!

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投稿者: まえだ歯科

2017.01.04更新

 新年、明けましておめでとうございます。皆様、新年はいかがお過ごしでしょうか。
2017年も、良い医療が提供できますよう、Dr.スタッフ一同、努力して参りたいと思います。

   本年もどうぞ宜しくお願い申しあげます。
 
  年明けは、1/7(土)より、診療を開始いたします。

                                                院長 前田

 

投稿者: まえだ歯科

2016.12.23更新

  11/24(木)東京、三鷹の産業プラザで行われた野田隆夫先生主催のNLT矯正セミナー第2回目に参加してきました。1回目と同様、前日に阿佐ヶ谷に宿泊して、三鷹まで向かいました。この日は朝から冷え込んで、朝、窓を開けると、雪!(少し積もっていました)電車が遅延したり、朝からバタバタです。。

  セミナー2回目の内容は、先ず午前中は「顎態パターン」の講義でした。顎態パターンというのは、簡単にお話しすると、上下顎の骨格の形態の分類といったところになるでしょうか。面長なのか、丸顔なのか、下顎が前に出ているか、出ていないかなど、顔の形のパターンというところになると思います。

そして、この顎態パターンは9つに分類されます(Sassouni)

  先ず、顔を横から見て、上顎と下顎と水平的な位置関係は、Ⅰ~Ⅲ級に分かれます。
    (Angle分類=Ⅰ級-正常咬合、Ⅱ級-上顎前突、Ⅲ級-反対咬合)

  それから上顎と下顎の垂直的(上下的)な関係
    (ローアングル症例、アベレージ症例、ハイアングル症例)

 とをかけあわせて、9つのパターンが出来ます。


         *deep bite(前歯の重なりが深い     ) →ローアングル
            open bite(前歯がかみ合っていない) →ハイアングル

それらを分析する手段として、セファロレントゲンというものがあります。矯正治療の処置前の診断としてセファロ分析を行い、顎態パターンの分析を行うことにより、矯正治療の術式や生体の反応の目安を立てます。(抜歯or非抜歯矯正治療の一つの目安にもなります。)

セファロレントゲンの分析すべき種々の計測角度がありますが、講義では、講師が4つのポイントの重要性を説明されていました。

 

          1顎の前後的な関係   ANB

          2 顎の上下的な関係  FMA
          3 上顎前歯歯軸        U1 to FH
          4 下顎前歯歯軸      L1 to Mand.

 

 講義の後、セファロ分析(側貌)のトレース実習がありました。午後からは前回に引き続き、反対咬合の模型実習という内容でした。
セミナー終了後、顎態パターンについての理解を深めるための宿題のペーパーがだされました。

 

  昼休憩には、普段お世話になっている歯科技工所のat m worksの真野さんと昼食を取りながら、現在作製中の技工物の打ち合わせを行いました。

 技工所がある世田谷区から三鷹までは結構近い距離なのです。雪の中、ご苦労様でした!

   次回セミナーは、早くも第3回目になります。。

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                         会場の三鷹産業プラザ

 

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                         雪の中会場に向かいます。。

 

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                              セファロ分析

 

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                      セファロレントゲン側貌のトレース

 

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                    Sassouni  による9つの顎態パターン

 

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                           模型実習の様子

 

 

投稿者: まえだ歯科

2016.12.22更新

 12月も半ば過ぎ、今年も残り僅かとなりましたね。寒い日もありますが、今年は比較的暖冬のようです。
院内はクリスマスの飾りつけで彩られております秋の飾り続き、患者様からも良いお言葉を頂いております(^^))

診療面においても、急患の対応なども行いながら、通常の予約診療を行い、院内も少しバタバタとしておりますが、診療前、診療後のカルテチェック、準備をしっかりと行い、精度の良い治療が出来るよう、心がけております。
業務面においても、今年中に出来ることはしっかりと行い、来年からまた良いスタートを切れるように、今年残った時間を有効に使いながら、院内の状態、診療の体制の見直しのチェックを行っております

体調に気を付けて、今年もあと2週間、頑張りましょう!!

 

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投稿者: まえだ歯科

2016.12.11更新

11/5(日)、香川県高松市で行われた日本口腔インプラント学会中国・四国支部大会に参加してきました。
今回のメインテーマは、「ニーズに合ったインプラント治療」です。

インプラントオーバーデンチャー((IOD)インプラント支持型の入れ歯)、GBR(マイナーな骨の造成)、腫瘍や事故により顎骨の一部が欠損してしまった場合などに適用する、インプラント支持型の顎義歯(顎補綴)の術式、症例の供覧、経過の提示がありました。
患者様が求めるニーズにより、インプラント治療の適用の仕方も変わってきます。治療に入る前に、よく患者様とディスカッションを行い、最終的にどのような形態で治療を完了させるか、しっかりと検討することが、インプラント治療においても非常に重要であると私自身も感じております。そして治療が終わり、歯が入ってからも、インプラントは長い間口腔内で機能していくことになりますが、患者様が高齢になられてからも、インプラントの管理をしていかなければなりません。そして、高額な治療であるため、その治療に対しての保障制度も設ける必要があると考えます。(当院では既に、インプラント治療などの自費診療に対し、保障制度を設けております)

また、講演の途中、業者のブースに寄り、新製品の情報などもチェックに行きます。
この日、気になったのは2点あり、1点目は、インプラントに被せるセラミックの歯やセラミックのフレームに使用するジルコニアのラインナップが、かなりバリエーションが出てきているなぁという印象です。ジルコニアは人工のダイアモンドのような素材で、白い金属といわれており、強度が非常に強いのですが、不透明が強く、審美的な部分で、まだやや難があるというのが、一般的な見解ですが、強度を保ったまま(透明感が強くなると、強度は下がるというのが従来の一般的な見解)、透明感がだせるものも出てきているようです。。
そして2点目は、使用中の歯ブラシの除菌スプレーです。研究によると、歯ブラシは使用後そのままの状態だと、除菌した場合に比べると、18倍も細菌数が多いという研究結果があるようです。(株)エーザイから発売されている「Etak Oral Care」という商品で、今後、当院でも販売を検討しようかと考えております。私自身も携帯用歯ブラシを常に持ち歩いており、定期的に交換するようにしているのですが、この点について最近、時々考えることがありましたので、非常にタイムリーにこの商品の説明を受けて、この歯ブラシ除菌スプレーは、今後注目されていくだろうと感じました。
現代では、口腔内細菌について、様々のことが明らかになっております。歯周病関連菌についても、心筋梗塞、糖尿病、誤嚥性肺炎の発症など、全身への影響についても非常に注目されています。当院のホームページにも、歯周病治療の項目に情報を書かせて頂いておりますので、是非、ご参照ください。

話は変わりますが、前日には母校、東京歯科大学の同期で、親友の堀川君と奥さんとで会食をしました。今年の1月には、堀川君の結婚式でスピーチをさせて頂き、なかなか良かっというお言葉を各方面から頂きました(^^)話し過ぎて少々時間をオーバーしてしまいましたが、、(^_^;)
スピーチでは私が好きなアーティスト、いきものがかりの「ありがとう」をバックミュージックに流してくれたりしてくれたりして、堀川君は本当に優しいやつです。。

食事は高松から車で10分ほどの、瓦町(かわらまち)という繁華街の、焼肉屋「ジンスケ」というお店に行きました。高松にはよく来るので、このお店は今回で4回目なのですが、厚切りの、ボリュームのあるお肉がこの店の特徴で、凄く美味しいのです…!そしてプロレスラーの 秋山準選手の親戚の方がお店をやっておられるということで、店内には来店された有名なプロレスラーやプロゴルファー、著名人の写真やサインがたくさん貼っていました。結婚式以来、お二人とゆっくりとお話しをしながら、楽しい時間を過ごせて本当に良かったです。しっかり者の奥さんと、幸せな家庭を築いていって欲しいですね。

帰りはうどん県、香川にせっかくきたので、駅前のうどん屋できつねうどんを食べて帰路に着きました。それにしても香川県は本当にうどん屋が多い!!そして凄く美味しいです。。
帰りは高松~岡山まではマリンライナーに乗り、そこから新大阪までは新幹線です。途中、岡山駅のお土産店で、きび団子と魚の練り物を買って、いつも新幹線で食べながら新大阪に向かいます。新大阪からは特急くろしおで和歌山へ。計3時間の旅ですが、2回乗り換えるので、意外と短く感じますね、、(^○^)

長くなりましたが、それではまた、学会で学んだこと、仕入れた情報を取捨選択しながら、明日への診療に還元していきたいと思います!

*写真は、ホテルから見た瀬戸内海、高松駅周辺、学会会場
歯ブラシ除菌スプレー(Etak Oral Care)、駅前のうどん屋さん

 

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投稿者: まえだ歯科

2016.12.09更新

                                            

10/28(土),29(日)東京、品川のノーベルバイオケア本社研修室にて、インプラントマイナーグラフトセミナーを受講してきました。講師は母校、東京歯科大学の市川総合病院歯科口腔外科の先輩で、現在、横浜のみなとみらいでオーラルマキシロフェイシャルクリニック(OMFC)を開業されている木津先生です。10月に東京で行われ、自信も参加したインプラントの学会OJ(Osseointegration Japan)で、木津先生が学会発表されていた際に、セミナーのお誘い頂きました。

今回、私自身のセミナー参加の主目的ですが、前歯部のインプラント治療に付随する骨造成の見直しです。一般的にインプラント治療に際し、インプラントを埋め込む骨が不足している場合に、一般開業医レベルで最もよく行われるのは、GBR(guided bone regeneration)法でしょう。
GBR法は、骨が足らない部分に、自家骨(患者自身の骨)や骨補填材(人口の骨)を補填し、その中に歯肉が入り込まないように補填物の表面にメンブレン(コラーゲン膜)を設置し、縫合を行って、4~6か月治癒を待ちます。GBR法で対応できないような大きな骨欠損の場合、当院ではブロック骨移植や、上顎ではサイナスリフト法など、歯科外来手術では比較的大きな手術を、患者様とよくお話しした上で、行うこともありますが、やはり頻度が高いのはGBR法でしょう。
インプラント治療の手技において、インプラント体(フィクスチャー)が骨に覆われている状態を作り上げることが非常に重要です。日常臨床ではインプラント治療を行う際に、部分的に骨が不足している症例は、実は数多く存在します。

GBR法の利点は、そのような場合に、インプラント周囲の部分的な骨の欠損を、比較的侵襲が少ない(生体へのダメージが少ない)手技で骨の造成を図ることが出来るという点にあるでしょう。
GBR法の問題点としては、人工的に造成した骨は、経年的に減少(吸収)し易いということです。前歯部のいわゆる審美的な要素が強い部分では、造成した骨が目減りすると、歯肉の位置が下がり(退縮)易くなり、審美的な問題が発生します。またインプラント表面が骨外に露出すると、細菌が感染し、インプラント周囲炎の発生にも大きく関与してきます。
そういったことで、GBRに使用する骨補填材は、吸収が早い材料より、吸収が遅いほうが、形態を維持するには有利と考えます。また、まったく吸収しない材料もありますが、そういった材料は生体内に異物として残るため、細菌感染が起こり易いといった問題点があります。 少々専門的な話になりますが。。

セミナーでは、GRRだけではなく、ブロック骨移植、ソケットリフト・サイナスリフ(上顎洞底拳上術)など、局所麻酔で、入院施設がない医療機関、いわゆる一般開業医で出来得る、骨移植の手技について、動画を駆使した講義、講師によるデモンストレーションにより、かなり密度の濃いセミナーが実施されました。講義では、骨移植法の使い分け、材料の選択を、非常に的確にレクチャーして頂きました。
一日目のセミナー後には、講師と、受講生、ノーベルバイオケア社員の方との懇親会があり、食事をしながら、色々とお話しが出来、情報交換を行うことも出来ました。

今回のセミナーはStep1になり、Step2、3では、実習を中心にカリキュラムが組まれているようですので、時間を作って参加したいと考えています。講師の木津先生、ノーベルバイオケア社員の方々、本当にありがとうございました。

*(写真は歯科インプラントを開発し、初めて臨床応用を行った
スウェーデンの故ブローネマルク博士です)

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投稿者: まえだ歯科

2016.11.04更新

歯科総合商社の(株)松風主催のNLT矯正セミナー、マスターコース(全8回)の第1

会目(10月20日(木))、に参加してきました。

 

今回、第1回目の内容は成長期の反対咬合(受け口)について。

 

会場は、東京の三鷹です。前日の診療後に新幹線で上京し、阿佐ヶ谷のホテルに深夜に到着しました。

朝は、10時からのスタートで、中央線で三鷹まで向かいました。

講師の先生は、歯科矯正学の分野で、非常に著名な、東京医科歯科大学矯正科ご出身の野田隆夫先生です。

 

成長期の受け口の治療は、成長期に、上顎と下顎の前歯の重なり方(被蓋関係)を正常な形に改善させ、成長期以降に反対の被蓋関係により生じる骨格性の反対咬合への進行を出来るだけ、抑制することが大切です。

 

専門的な話になりますが、現代の歯科矯正治療では、歯の表面に装着する矯正装置は(ブラケットやワイヤー)は、ストレートエッジワイズ法という方法が主流で、これは、それより以前に主流であったスタンダードエッジワイズ法を改良し、簡単にいうと、オートマティックに歯の位置を動かしていく方法で、矯正治療そのものが簡便に行われていくというところに最大の特徴があります。

そこに、今回は、形状記憶性のニッケルチタンワイヤー(金属の線)という弾性の非常に高いワイヤーを装着して、より高い治療効果を期待するものです。

具体的な効果を上げると、ワイヤー自体の弾性が高いため、ワイヤーを曲げたりして作製する複雑な装置を付ける必要がなくなるため、(1本の真っ直ぐなワイヤーのみ使用)、装置装着中の違和感が少なくなります。また、矯正力をかけた時に生じる歯の痛みが出にくく、治療期間が短縮されます。患者様にとって様々なメリットがあるといえるでしょう。

 

成長期の、骨格的な反対咬合ではなく、前歯のみが反対咬合になっているような、いわゆる歯性の反対咬合は、従来から、いくつかの治療の方法がありますが、このチタンニッケルワイヤーを用いると、非常に簡便に治療が進むということを、野田先生も説明されていました。

 

当院でも、矯正治療において、このニッケルチタンワイヤーを主に使用しており、様々な効果を私自身、実感しておりますが、今回の矯正セミナーでチタンニッケルワイヤーの大家である野田隆夫先生のエッセンスを吸収し、更なる肉付けをしていきたいと考えています。

セミナーは少人数制で、講義、実習がバランスよく進行し、野田先生をはじめ講師の先生が、マンツーマンで実習をチェックしてくれました。色々な質問にも対応して頂き、お話しを沢山聞くことが出来ました。

次回、第2回目は、11月24日(木)です。

 

 

投稿者: まえだ歯科

2016.10.31更新

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9月中旬頃から、院内の装飾も夏から秋へチェンジしました。

まだ暖かい日もありますが、日が暮れがめっきり早くなり、肌寒い日も増えてきました。。

 

当院では、受付、待合、診療室、トイレなどの飾りつけを四季折々に、彩り添えて、季節毎に変えるようにしております。

 

歯科の治療も数回で終わる場合もありますが、全体的な歯の治療、矯正治療インプラント治療、メンテナンスなど、長きにわたる場合もあります。季節毎に風情を感じながら、季節の風の感じながら、通院して頂きたいと思い、院内の装飾を定期的に変えるようにしています。

 

最近は、秋はハロウィンが定番になっていますよね。

院内も10月からハロウィンの飾りつけをしました。

 

患者様からも院内の飾りつけについて、良いお言葉を頂くこともあり、そういう時は少し嬉しくなります。

 

 季節の変わり目、皆様も風邪など引かれませんように。。。

 

 

 

 

 

 

 

投稿者: まえだ歯科

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